目的地設定

このレポートを見て、自分も挑戦したいという方への注意です。
(警告!挑戦した場合の事故について、このレポートは一切責任を負いません。)

河童橋から明神池まで行けたら、ずいぶん素敵な旅になります。
嘉門次小屋の岩魚の塩焼きを一緒に食べるのは最高です。

河童橋から明神池までの往復は、一般の方の足で、片道1.5時間、往復3時間とみるのが正しいです。(実際にはもう少し早いですが、山道ですし、余裕を見るのが当然です。)

さて、車椅子の場合ですが、一般の方の2倍の余裕を見るべきです。
実際に、1日目では河童橋から明神池までの片道に、2時間弱かかっています。
ホテルから考えると、実に2時間半です。
明神池で昼食を食べることを考えたら、
早朝から丸一日分の時間をかけて明神池までの往復で限界です。

秋〜冬は、夏よりもさらに日が短くなっていることも気をつけましょう。
帰り道で夕方暗くなる時間にかかるのは絶対に避けましょう。
早め早めの行動(早朝出発や早めのお昼ご飯など)と余裕を持った時間計画を心がけましょう。

今回、私たちは2日目に、明神のさらに奥地、徳沢まで行きました。
しかし押す人が、主に私だけだったのにも関わらず挑戦してしまい、
私は危険で浅はかな挑戦だったと後悔しているところがあります。
徳沢までの道のりにある、今回の挑戦で一番急で危険な上り坂と、
道のりの長さに対する交代人員のなさは、恐怖を感じる部分がありました。

自分にその危険な坂を安全に一人きりで登れるのか?
疲れてうっかり足を滑らせたり、挫いたり怪我しないか?
つまり自分が怪我したら代わりはいないという恐怖です。
今回、結果的に何事もなく無事だったのですが、
次回はきちんと人員が揃わなければ、私は徳沢には決して挑戦しないでしょう。
最低でも二人以上の体力に自信のある成人男性が揃わなければ、
絶対に挑戦してはいけません。

非常に大袈裟に聞こえるかもしれませんが、真面目な話です。
一緒に行くのは50kgからなる歩けない人間と車椅子です。
歩けない人間の体調を保護するための装備も含めれば大変な負担です。
荷物と違うのは、極限状態でも捨てていくことはできないのです。
決して軽い気持ちで挑戦してはいけません。

河童橋〜明神池コース

まあまあの難易度。
きちんとした人員と装備を用意して、
余裕を持った計画と早めの行動を心がければ、
楽しい旅になりそうです。

河童橋〜明神池〜徳沢コース

エクストリーム上高地車椅子チャレンジ
極限の難易度です。
アルプス登山なみに人員と装備を準備し、
相応の覚悟と計画をもって挑戦してください。
どんな最悪な状況も想定しておいて損はありません。
こちらは厳しすぎるので、お勧めできません。