1日目レポート

2008年7月10日(木曜日)天気:曇り

1時頃 東京都三鷹出発
深夜の1時くらいに東京都三鷹周辺から出発しました。

国立インターより中央自動車道に乗り、
途中高速道路のサービスエリアで2回ほどゆっくりと休憩し、
松本インターを降り、沢渡へ。

滅多にない深夜ドライブで、
お母さんもサービスエリアのお土産物屋を色々と見て回り、
楽しんでいたようでした。

5時30分頃 沢渡 梓駐車場到着

いつもの駐車場に車を預けてタクシーに乗り換えます。

(私が毎回使う駐車場は、沢渡第一駐車場のすぐ手前の梓駐車場。
タクシーが駐車場内に待機してくれていて、荷物の積み替えなどでは
停めた車の近くまでタクシーが横づけしてくれるので、安心。)

話は変わりますが、ここのタクシーの運転手さんは私が乗った時には毎回、
観光案内を喋りながら運転してくれました。
今回も途中に見える滝の説明や温泉の説明、上高地の季節の植物から、
最近の気候や付近の見どころなど、本当に詳しい情報満載です。
早朝の空いている時間だったこともあり、大正池で一時停車してくださり、
大正池の前で3人並んで記念撮影をしてくださいました。

朝もやがたちこめ、幻想的で素敵な景色でした。

今回も親切にしてくださったのは、アルピコタクシーの藤山さん。
次から指名してお願いしたいくらいです。ありがとうございました。

6時10分頃 帝国ホテル前着

基本的にバスもタクシーも、帝国ホテル前か、バスターミナルにしか止まってくれません。旅館前に直接乗り付けるのは、規制があるようです。
準備のページで触れていますが、歩けないなどの事情がある方はホテルやタクシーの方に事前にご相談ください。
事情があれば、旅館前まで行ってくれることもあるようです。

今回私たちは、それを知らなかったので、帝国ホテル前でタクシーを降りました。
帝国ホテル前から上高地温泉ホテルまで1km弱でしょうか。
砂利の下り坂を、お母さんの手を引き、ゆっくりゆっくり進みました。

しかし、途中の田代橋や穂高橋から見える梓川は、まだ朝もやが残りながら朝日に輝き、とても感動する素晴らしい景色でした。

6時40分頃 上高地温泉ホテル着

記念撮影などもしながら、ゆっくりゆっくり上高地温泉ホテルに到着しました。
時間を見ると、帝国ホテル前から30分もかかっていました。
通常10分かからない程度の道だと思います。
旅行の荷物も引っ張りながら、お母さんの手を引いてゆっくり歩くと
かかる時間は3倍程度だと認識しました。

7時頃 上高地温泉ホテル出発

上高地温泉ホテルに到着すると、玄関から見えるところにオフロード用車椅子ランディーズがすでに待機しており、ホテルの従業員さんからランディーズ取扱の説明を受けました。
その日に使う装備だけ確認したあと、旅行の荷物の大半を預け、
いよいよ明神池への挑戦開始です。

ホテル前からウェストン碑までは舗装されているのですが、すぐに砂利道になります。
最初のうちは車椅子の揺れに気を使ってソロソロと押していたのでゆっくり進みました。
しかしこれは1日目が終わったあとで分かったのですが、実は搭乗者は全然揺れを感じていないので、通常歩くスピードでガンガン押して大丈夫でした。

こんな感じの砂利道が続きます。

上高地温泉ホテルから河童橋までのルートを説明します。
川の右岸コースを進みました。
(川の下流に向かっての右岸という意味なので、地図上では川の左側です)
ウェストン碑を少し越したあたりに公衆トイレがあり、
その先に1度目の分岐があります。
左ルートは木道になっており、車椅子は不可能です。
右ルートは平坦な砂利道になっており、ランディーズなら楽な道です。
左右の道はしばらく進むとまた合流します。
それからさらに進むと、進行方向からみて右側に梓川コースと
左側に林間コースと分かれます。
この往路は林間コースを選択しました。

砂利道ですが、平坦で心配はありません。

梓川コースは景色が良いのですが、道幅が狭いことが分かっていたので
ランディーズの性能がまだ分からない往路は選びませんでした。
復路には梓川コースを挑戦しているのですが、
やはり道の狭い難所が2か所程度ありました。
きちんとサポート人員が居れば通れないことはありません。

慎重に歩いて、河童橋が見えてきました。ここまでは非常に順調です。
ゆっくり歩きましたが、20分程度で到着したと思います。

河童橋には左右に緩やかなスロープがあり、車椅子でも安心して通行できます。

橋の上や梓川をバックに記念撮影などをしました。

そして自動販売機で水のペットボトルなどを補給して、
これから梓川左岸コースを明神池に向かいます。
(川の下流に向かっての左岸という意味なので、地図上では川の右側です)

ちなみに梓川右岸コース(地図上では川の左側)は木道が主体なため、
車椅子での通行は不可能です。
木道の隣には業者などが物資運搬に使う自動車専用の林道がありますが、
基本的に車椅子を使用してはいけません。
そもそもこの林道は景色が良くありません。
しかし、車道があることは覚えておきましょう。
怪我、事故の際にはこの道に出れば車が通ります。

ここまでのルートのまとめです。
上高地温泉ホテルから河童橋を渡るまでです。

(上高地公式ページより地図をお借りしました。)

7時30分頃 河童橋出発

さて、河童橋から明神まで出発です。
梓川左岸コースは木道はありませんが、ゴツゴツした岩場や、
上り坂、下り坂など起伏があります。
また、前日まで雨が降っていたことから、
道には大きな水たまりがあり、ぬかるんでいる部分も多くありました。

ここから細かく道の様子を紹介していきます。

河童橋から出てすぐ、清水橋を渡ります。

(7:23)

清水橋を渡るとすぐに、右手の小川沿いのルートと、前方の建物の前を突っ切るルートに分かれます。
数百メートル先のビジターセンターの反対側のところで合流します。右手の小川沿いのルートは地図には乗っていませんが、多くの方がこちらを進みます。
今回は右手の小川沿いのルートを進みました。

また、合流した直後に、これまた地図には載ってしませんが、
小梨平のキャンプ場の中を通ることもできます。
この小梨平ルートの途中にトイレがあります。
キャンプ場から河原に向かうと、穂高連峰が綺麗に見え、
河童橋よりもほんの少ししか進んでいないのに、
山が迫ってくるように大きく見えます。
すみません、このへんは上高地温泉ホテルのフロント方の受け売りです。
でも実際に2日目に見ました。確かに綺麗で山が迫って見えました。

地図参照

(上高地公式ページより地図をお借りしました。)

清水橋からすぐ右手の小川沿いルートは、清らかな小川が大変美しいです。

しかし前日までの雨で、道は水たまりが多くありました。

しかしランディーズなら平気です。道の端っこをぐいぐい進みます。

(7:27)

小川沿いが終わると、山道が続きます。この辺はまだ砂利道なので平気です。

(7:36)

やはり奥地はどんどん景色が綺麗になっていきます。

傾向として明神に向かって上り坂が続きます。
基本的になだらかな上り坂が続き、たまに目立った上り坂が現れます。

(7:44)

しかし、単なる上り坂は問題ではなく、岩がゴツゴツしている坂が要注意です。

(7:46)

ゆるい上り坂がずっと続きます。

(7:53)

砂利道でもランディーズは全く苦労しません。

(7:57)

この石畳の部分は雨には横から水が流れてくる沢になるのでしょうか?

(8:00)

下り坂はブレーキをしっかり握って緩めながら進みましょう。

(8:11)

ここで一旦休憩です。
車椅子に乗っている人が寒くなってしまいました。
気づくのが遅かったです。手足が冷えてしまいました。
予備の軍手やウインドブレーカーなどありったけの衣類を着せ、
さらにポンチョを着せて冷たい風を凌ぎます。

(8:22)

慎重に道を進みます。やはり上り坂が多いです。

(8:29)

ここで河童橋〜明神の間で最大の難所です。
往路では下り坂ですが、復路では厳しい上り坂になります。
上りの角度が急なのですが、土砂が流れるのを堰き止めるための木による段差も
急な坂道においては、車椅子に厳しい段差となります。
写真は坂の上から。(段差も傾斜も見えづらいです)

ブレーキをしっかり効かせながら、ゆっくりゆっくりと降ります。

(8:31)

無事に坂を下って、しばらく進むと真っ白な場所が見えてきました。

砂っぽい道ですが、上り坂の角度は結構急です。仮に白い丘と呼びましょう。


(8:37)

白い丘の周辺はこんな感じの路面状態です。写真の真中にカエルがいます。

この後、なだらかな下り坂があり、比較的平坦な道をしばらく進むと
やっと見えてきました。明神館です。

(8:49)

ついに辿り着きました。明神池への参道入り口です。

(8:55)

河童橋から明神館まで、約2.5kmの道のりです。
約1時間30分程度かかっています。
一般の方でしたら、調子よく進めば1時間かからない道です。
やはり2倍はかかると思って計画を立てることが重要です。

明神館のあたりにはトイレがあります。
少し休憩することにしました。

この近辺は一本道ですが、一応地図でも確認してください。

(上高地公式ページより地図をお借りしました。)

9時10分頃 明神館出発

ここから明神橋までは平坦な道が続きます。

(9:12)

(9:15)

9時20分頃 明神橋到着

この橋はできれば自分の足で渡りたいということで、
お母さんは車椅子を降りて歩いて渡りました。
この明神橋のスロープは角度が急なので気をつけてください。

橋の幅と、車椅子の幅はこのくらいです。

(9:20)

明神橋を渡りきったところで、美しい梓川をみて、感動です。

ずっと曇りだった天気も祝福するかのように晴れてきました。

オフロード用車椅子ランディーズも誇らしげです。

嘉門次小屋まで百数十メートルなので、河原をゆっくりと歩きます。
梓川が本当に素晴らしい美しさです。

(9:27)

9時30分頃 嘉門次小屋到着

ついに嘉門次小屋に到着しました!

(9:31)

さっそく岩魚の塩焼き定食を注文して、
焼き上がるまで20分くらい待ちます。

岩魚を囲炉裏で炙っています。

直接火で焼くのではなく、置き火でじっくりと炙るのです。
本当に美味しそうです。

岩魚は囲炉裏の目の前の小川に生けすがあり、
そこで捌いてすぐに串に刺されて焼かれます。
臭みなんてありません。

岩魚の塩焼き定食の写真は2日目にあります。

ここまで辿り着いた人だけが食べられる至高の食事です!!
目的達成です!バンザーイ!

10時25分頃 食事終了

穂高神社 奥宮 明神池に参拝します。

大人300円の参拝料を支払って、明神池の周りへ。
ここは道が狭かったのと、歩いて行きたいとのことで、
車椅子は入口に置いていきました。
しかし、「明神二之池」の手前まではランディーズで行けそうでした。
車椅子で行く方は受付の方に相談してみましょう。

「明神一之池」です。お母さんに見せたかった景色はここでした。

お天気にも恵まれて、池も澄んで鏡のように山を映し、素晴らしい景色です。

「明神二之池」です。一之池のすぐ隣です。

二之池の方向からみた一之池です。池に映る森が綺麗です。

「明神二之池」のさらに奥地には、森の中、池から激しく水が流れ落ちる先に
ご神体の神木がある手前まで進むことができます。
かすかな木漏れ日しか刺さない森の中、妖精でも出そうな幻想的な美しい場所です。
しかし、そこに至るまでの道は、車椅子どころか、一般人でも難儀するような、
大きな岩を飛び移り、小川を飛び越えていくような道で、
オンブをしたとしても、危険でとても進めるものではありません。
しかし、そこは神聖で整備してはいけない場所のように感じます。

明神池まで見ることができれば大成功なのです。
ここまで無事に辿り着けた幸運に感謝するべきなのです。
明神池にいらっしゃる神様の前で欲をかいてはいけません。

私たちは二之池までを目に焼き付けて、明神池を後にしました。

10時50分頃 明神池出発

さて、明神池を出発して、帰り道になります。
道は河童橋まで往路と全く同じコースです。
また順を追って見ていきましょう。

池から梓川に向かう途中の橋です。この程度の段差はランディーズには平気です。

(10:49)

今回は明神橋のスロープを車椅子に乗ったまま登りました。
スロープがあるだけありがたいですが、かなり急なので気をつけましょう。

橋の上は車椅子で楽なものです。

上高地の道を整備する環境省とかのお役所の方なのでしょうか。
車椅子の幅やスロープの角度を見て、改良の余地を調査していました。
できれば自走式の車椅子で通れるようにしたい、とのこと。
道がもう少し優しくなってくれると、多くの車椅子の方が挑戦できるでしょう。
自然との調和やバランスが難しいでしょうけど、
お役所の方々、ぜひ環境保護と道の整備を頑張ってください!

11時6分 明神館到着

明神館の前にある標識で記念撮影です。
これから河童橋まで戻ります。

(11:06)

復路は基本的に下り坂が多くなるため、スピードが上がります。

(11:12)

白い丘まで結構近く感じます。

(11:15)
白い丘を過ぎると下り坂〜平坦な道が続きます。

しばらく進むと、最大の難所である上り坂があります。

写真では分かり辛いと思いますが、結構な角度です。

(11:21)

しかし、この辺りは景色が綺麗です。

まだ上り坂もあります。

(11:25)

下り坂はきちんとブレーキを効かせながら。

(11:26)

上り坂でゴツゴツした岩が出ているところは要注意です。
タイヤが岩に引っかかると止まります。
うまく避けて登りましょう。

(11:34)

なだらかな下り坂が続きます。

(11:48)

平坦な道やなだらかな下り坂では女性でも楽々です。ランディーズのお陰です。



(11:56)

比較的平坦な道が続きます。隣を流れる小川も綺麗です。

(12:05)

ずいぶん河童橋に近づいてきました。


(12:13)

12時30分頃 河童橋到着

無事に河童橋に到着しました。
お茶でもしたいな、と思って五千尺ホテルで席が空いているか聞いたところ、
背の高い格好良いスタッフの方が、車椅子をホテルの玄関に入れてくれました。
外に置いておいても盗まれないだろうと思いながらも、
いたずらされると困るので、ありがたいサービスでした。
そして美味しいケーキと紅茶でゆっくり休憩です。

(12:30)

ゆっくりケーキを食べ終わったら、お土産屋をしばらく眺めて
河童橋から穂高連峰を見たり、ブラブラしました。

(12:56)

13時15分 河童橋出発

河童橋からホテルに向けて出発です。

(13:15)

平坦な道が続くので、女性でも比較的楽です。



(13:20)

この辺りで分岐し、狭い道で川沿いの梓川コースに入って行きました。
道幅はランディーズ一台分ちょっとしかなく、
人とすれ違うときは、譲り合わなければいけません。

梓川コースに関して、地図でも確認してください。

(上高地公式ページより地図をお借りしました。)

梓川コースに大きな切り株の障害がありました。

しかしフットレストを上げれば、この切り株は跨ぐことができ、楽にクリアできます。
普通の車椅子では苦労しそうな場所です。ランディーズは素晴らしい。

(13:24)

梓川コースは道幅が狭いですが、川沿いで、非常に景色が綺麗です。

また厄介な障害です。道の真ん中に木が生えているので、
車椅子が通れる幅がありません。
この場所では木の左側を通ったのですが、
ランディーズの左前輪は、道の縁石として並べてある石を
完全に乗り越えてしまいました。
道の左側は川に向かって下り坂になっているので、
サポートの人間が左側で支えることはできません。
今回は腕力で強引に道へ戻りましたが、
多少草を踏んでも木の右側を通ったほうが安全だったかもしれません。

(13:28)

梓川コースでは、途中に河原に出る寄り道があります。
川幅が広く流れが穏やかになった梓川はどこまでも透き通って綺麗です。

(13:37)

林間コースと梓川コースの分岐点まで戻って来ました。

(13:39)

ここからホテルまでは平坦な砂利道が続きます。


(13:42)

ウェストン碑の近くまで来ると、舗装された道になります。



(13:45)

13時45分 上高地温泉ホテル到着

無事に上高地温泉ホテルに到着しました!

(13:45)

チェックインが15時からだったので、ひとまずラウンジで休憩しながら待ちます。

14時30分頃お部屋の準備をしてくださり、早めにお部屋に上がらせて頂きました。
助かりました。ありがとうございます。

15時にお部屋の担当スタッフがお茶を持って御挨拶と夕食の案内に来たので、
それを聞いてから温泉へ入って汗を流します。
18時から3人一緒に、お部屋で夕食です。

この時期、ホテルの前の小川にホタルが出るそうで、
ちょうど227号室のベランダから見える位置でした。
夜には綺麗なホタルを見ることができたようです。
私は疲れて寝ていましたが。
そして、夜にもう一度温泉に入りました。
温泉に入った後の湿布やマッサージなど、メンテナンスも怠ってはいけません。
そして早い時間からゆっくり寝ました。